Asian CORE Program by Japan Society for the Promotion of Science. Frontiers of material, photo- and theoretical molecular sciences. (独)日本学術振興会アジア研究教育拠点事業 物質・光・理論分子科学のフロンティア

 

分子研所長挨拶

 分子研所長として、この分子科学Asian CORE事業の第1回全体会議にお越し下さいました皆様を、心より歓迎申し上げます。アジアで基礎科学を振興し、優れた若い科学者を育て、アジア発の新しい科学を創出することが、私の長年の夢でした。またこれらの科学にかかわる活動は、我々自身の哲学に基づく必要があるということを常々申してきました。今回の事業は、そのための小さな第一歩ですが、非常に良いスタートになると思います。

  よくご承知のように、中国、韓国、台湾と日本はアジアで基礎科学の推進に重要な役割を演じるべきであると考えます。その際、我々自身の活性を高めるだけではなく、他のアジア諸国の活動をも支援し振興していく必要があります。新世紀は、多くの点で真の意味での新しい世紀でなければなりません。量子力学の発見から100年が経過し、生命科学の新たな潮流が生まれているこの世紀に、新しい物質科学と新しい生命科学の誕生が期待されています。

 分子科学は、このような観点において重要な役割を演ずることができ、またそうあるべきです。それを実現するには、全く新しい考え方を持ち込む必要があります。残念なことに最近、いわゆる技術革新への圧力が我々にも相当掛かってきています。しかし、我々科学者は、基礎科学の研究を推進し、将来の基礎科学及び社会のために新しい局面を切り拓いて行くことが出来る様に、我々自身の科学者魂と哲学を堅持していかなくてはなりません。

 新しい哲学が明らかに求められています。我々は、西洋流の還元主義と単純な二分主義の考え方を越えなければなりません。新しい科学を創るため、皆さんには皆さん自身の哲学が必要です。皆さんはこの世紀をアジアの世紀とするために、重要な役割を演じなければなりません。私はアジアが世界を支配すべきであると言っているのではありません。我々が、自然と調和した我々の哲学に基づいて、人類と社会に貢献しなければならないと言いたいのです。

 多くの共同研究が、このAsian CORE事業ですでに始まったことと思います。今回の会議を通じて、それらの共同研究が強化されることを願うとともに、さらに新しいアイデアと共同研究が生み出されることを願っております。親愛なる友人の皆さん、アジアの分子科学の活動を振興するために、ともに努力しようではありませんか。

 今回の会議はユニークな形式で組織されており、多くの時間がディスカッションや意見交換に割り当てられています。この会議で大いに科学を楽しんでください、そしてまた短い岡崎滞在を楽しんでください。ご清聴有り難うございました。

分子科学研究所 所長
中村宏樹
(2007年3月1日,第1回全体会議のレセプションにおける歓迎の辞)

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